
ピラティスとヨガの違い解説!4つの特徴と効果の違いは?
スタジオレッスンの中でも人気を集めているピラティスとヨガですが、それぞれの特徴について知っているでしょうか?なんとなく違うような気はするけど、違いを説明できる人は少ないでしょう。今回は、意外に知らないピラティスとヨガの違いについて解説します。
1)ピラティスとヨガの違いは?
どちらもマットの上で行い、エクササイズも共通しているものが多いため、違いがわかりにくいピラティスとヨガですが、詳しく見ていくと明確な違いがあります。異なる点を挙げていくとさまざまありますが、今回は、歴史・目的・内容・効果について見ていきます。
2)ピラティスとヨガの歴史
ピラティスはヨガをベースとして考案されました。それぞれの歴史を知ることで、違いを深く理解できます。
起源
ヨガの起源は紀元前にまでさかのぼります。紀元前2,500年頃にインダス文明で発生し、紀元前1,000年頃にヨガという言葉が出てきました。その後に発展を遂げて、現在主流となっているハタヨガは1,600年頃に体系化されました。
ピラティスは、ジョセフ・ピラティスが考案したエクササイズです。ジョセフ・ピラティスは第一次世界大戦に従軍看護師として、負傷兵のリハビリに従事していました。彼らのリハビリのために考案されたのがピラティスメソッドです。
日本における歴史
ヨガの歴史は日本でも古く、806年に瑜伽として伝わってきました。本格的に広まったきっかけとなったのは、沖正弘による沖ヨガです。現在のヨガブームはアメリカでのブームを受けており、エクササイズの要素が強いヨガが一般的です。
日本におけるピラティスは2,000年に入ってから広まりました。ヨガに比べて歴史は浅いものの急速に広まっており、認知度がかなり高いエクササイズと言えます。
3)ピラティスとヨガ、それぞれの目的
ピラティスは、前述したとおりリハビリとして考案されたものです。身体の機能を回復させるリハビリとして体系化されているため、インナーマッスルの強化によって身体機能の回復や向上を目指すことが主な目的となっています。
一方、ヨガの最終的な目的は、解脱に至ることです。目的を達成するためには、心身ともに安定させる必要があります。ポーズは身体の状態を整えるために行われ、更に呼吸法や瞑想も実施することで心の安定化を図ります。
4)ピラティスとヨガの内容
これまでで、ピラティスとヨガの違いがだいぶ理解できたかと思います。次はレッスンの内容の違いについて見ていきましょう。
呼吸
呼吸の仕方によって神経系への作用が変わるため、ピラティスとヨガでは呼吸方法も異なります。ピラティスは胸式呼吸で行います。胸式呼吸とは肋骨の動きを伴った呼吸法です。交感神経を活性化するため、身体を動かすときに適しています。腹筋は肋骨に付着しているため、胸式呼吸の際は体幹部の動きを伴います。そのため、胸式呼吸の実践は体幹の強化にもつながっています。
ヨガではウジャイー呼吸や完全呼吸など流派によってさまざまな呼吸方法がありますが、多くは腹式呼吸が行われます。胸式呼吸が交感神経を活性化するのに対し、腹式呼吸は副交感神経を優位にします。副交感神経はリラックスするときに活性化されます。筋肉の緊張を和らげ心身を穏やかな状態にするため、柔軟性を高めるときに腹式呼吸は適しています。
動き
ピラティスはヨガをベースとして考案されているため、両者で共通した動きが数多くあります。ピラティスの主目的はインナーマッスルの強化なので、腹筋や背筋を働かせるエクササイズが行われます。リハビリの手法として考案されたため、日常生活への応用について考慮されています。
人間が手足を動かす際に体幹部の固定がうまくいかないと、無駄な動きが起きてしまいます。体幹部の固定には、腹筋のひとつである腹横筋の動きが密接に関わっています。ピラティスでは腹横筋を働かせて動くことを学習するために、一定の姿勢を保持することは少なく、さまざまなエクササイズを連続して行ないます。
ヨガの目的は解脱に至ることです。解脱に至るためには、瞑想の実施が不可欠です。ヨガのポーズは長時間瞑想が続けられるように身体を整えつつ実施するため、長時間同じ姿勢を維持することがメインとなります。同じ姿勢を維持するためには、筋肉の強さと柔軟性、両方のバランスが大切です。筋肉の状態は個々で異なるため、筋肉のバランスを整えるためにさまざまなポーズが生み出されています。
5)ピラティスとヨガの効果は?
ピラティスの実践により、インナーマッスルが強化されます。インナーマッスルが強化されると、身体の動きが安定します。そのため、ピラティスの効果は、姿勢の改善や日常動作の改善、さらにスポーツパフォーマンスの向上が挙げられます。
ヨガは心身のバランスを整える作用があるため、身体だけではなく心にまで働きかけます。心が乱れているとストレスを感じやすくなるため、ヨガはストレス対策に適していると言えます。ヨガの効果を端的にまとめると、心身を整えていい状態に保つことと言えます。
6)ピラティスとヨガ、選ぶポイントは?
ここまでの違いを踏まえて、ピラティスとヨガのどちらを選べばいいかを目的別にみていきます。自分にあったものはどちらか考えてみてください。
ポイント1:ダイエット
ダイエットが目的の場合は、多くが減量しようと思っているのではないでしょうか。減量時の基本的な考え方は、消費カロリーが摂取カロリーを上回ることです。ピラティスかヨガかを選択する際は、消費カロリーを増やすのか、摂取カロリーを減らすのかで変わってきます。
まず、消費カロリーを増やしたい場合はピラティスの方がオススメです。インナーマッスルを強化することにより、日頃から筋肉を使いやすくなるため、日常生活でしっかりとカロリーを消費しやすくなります。
一方で、摂取カロリーを減らしたい場合はヨガに取り組むといいでしょう。必要以上に食べてしまうのは、ストレスの影響が強いからです。ヨガによりストレスに対処出来るようになると自身をコントロールしやすくなります。
ポイント2:姿勢改善
姿勢の改善が目的であれば、ピラティスがオススメです。姿勢を良くするためには、肩甲骨と骨盤の動きが大事です。ピラティスはこの部分に重点をおいて鍛えるため、ヨガよりも短期間で効果を出しやすいと言えます。
ポイント3:心の安定
心を安定させるためには自律神経を整えることがポイントです。日常生活では交感神経が優位となりやすい為、副交感神経を活性化することが重要です。副交感神経を唯一コントロールできるのは呼吸と言われています。呼吸法を実践するヨガは、心を落ち着かせるために有効です。
7)インストラクターとして働くためのQ&A
ピラティスとヨガの違いについて理解していただけたでしょうか?ここからは、それぞれのインストラクターとして働くために知っておきたいことについて解説します。
【Q1】求人は?
ピラティス・ヨガどちらもスタジオやスポーツクラブなどでレッスンを受け持つのが一般的です。現時点では、ヨガのほうが専門のスタジオ数やスポーツクラブでのレッスン数が多いため、すぐに活躍しやすいのはヨガだといえます。
しかし、ピラティスはそもそもリハビリとして考案された背景があるため、医療機関でも活躍する場面が増えつつあります。
【Q2】ピラティス資格は何がある?
ピラティスの資格で特に有名なのは、BASIピラティスによる認定資格です。マット・マシンともに認定していますが、マシンインストラクターのコース受講にはマット資格が必要となりますので、ここではマット資格のみ紹介します。
マット資格通常コースは、6日間の講習と試験日1日で構成されているので、短期集中で取得したい人にオススメです。費用は306,000円です。
【Q3】ヨガ資格は何がある?
RYT200がヨガの資格の中では有名です。国内にも認定校が数多くあり、認定に必要な200時間を3か月から1年程度で受講するのが一般的です。費用も30万円から60万円と幅があります。
<参考文献>
basiピラティス

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